ROCKSの会員データを大学で分析した結果
パーソナルジムROCKSでは、会員様のInBodyデータを慶應義塾大学の研究論文として統計分析しました。
「本当に効果があるのか?」を数字で検証した、国内では先行研究のない新しい取り組みです。
結論:1年で体重-9kg、そのほぼ全てが脂肪
週2回ペースで1年間(100セッション)通った場合の推定変化:
| 項目 | 変化 |
|---|---|
| 体重 | -9.0 kg |
| 体脂肪率 | -9.4 % |
| 筋肉量 | ±0 kg |
つまり、減った体重のほぼすべてが脂肪。筋肉は落ちていません。
なぜこれがすごいのか?
一般的なダイエット(食事制限のみ)では、こんなことが起きます:
体重が減ると、脂肪と一緒に筋肉も20〜26%失われる
(Heymsfield et al., 2014)
たとえば10kg痩せたら、2〜3kgは筋肉が減っているのが「普通」。
でもROCKSの会員データでは、トレーニング効果が筋肉の減少を完全に打ち消していました。
これは「質の高い減量」と呼ばれるもので、リバウンドしにくい体づくりの基本です。
分析の詳細(興味のある方向け)
分析したデータ
- 対象:76名の会員様
- 観測数:2128回の測定データ
- 期間:最大23ヶ月間の追跡
分析の難しさ:人によって違う「個人差」問題
トレーニング効果を正確に測るのは、実は簡単ではありません。
たとえば、Aさんは3ヶ月で5kg痩せた。Bさんは3ヶ月で2kgしか痩せなかった。
この差は「トレーニングの効果の差」でしょうか?
実際には、こんな要因が絡み合っています:
- 食事の習慣(外食が多い人、自炊中心の人)
- 仕事のストレス(忙しさ、睡眠時間)
- もともとの体質(太りやすい、痩せやすい)
- モチベーションの高さ
- 生活環境(通勤で歩く量など)
これらを「個人の固定効果」と呼びます。
AさんとBさんを単純に比較しても、トレーニングの純粋な効果はわかりません。
解決策:一階差分モデル
そこで使ったのが「一階差分モデル」という計量経済学の手法です。
考え方はシンプル:
「他人と比べる」のではなく「過去の自分と比べる」
具体的には、「今月の体重 − 先月の体重」という”変化量”を分析します。
Δ体重 = 今月の体重 − 先月の体重 Δ累積セッション = log(今月までの累積) − log(先月までの累積)
こうすると何が起きるか?
Aさんの「太りやすい体質」は、先月も今月も同じ。
差をとると、その影響は消えます(引き算でキャンセルされる)。
つまり、食事習慣、体質、モチベーション、生活環境…
こうした「人によって違うけど、その人の中では一定」の要因が、
数学的に除去されるのです。
残るのは、純粋な「セッション数の増加が体組成に与える効果」だけ。
導出されたモデル式
一階差分をとった上で、以下のモデルを推定しました。
回帰分析の基本形
回帰分析は「Y = α + βX」という形で、XがYにどう影響するかを調べます。
| 記号 | 名前 | 役割 |
|---|---|---|
| Y | 被説明変数(目的変数) | 予測したい変数 |
| X | 説明変数 | Yに影響を与える変数 |
| α | 定数項(切片) | Xが0のときのYの値 |
| β | 係数(傾き) | Xが1増えたときYがいくつ変わるか |
変数の定義
| 変数 | 定義 | 単位 |
|---|---|---|
| Δ体重 | 今月の体重 − 先月の体重 | kg |
| Δ体脂肪率 | 今月の体脂肪率 − 先月の体脂肪率 | % |
| Δ筋肉量 | 今月の筋肉量 − 先月の筋肉量 | kg |
| Δlog(累積セッション) | log(今月までの累積回数) − log(先月までの累積回数) | – |
体重モデルの分析結果
Δ体重 = -0.455 - 0.828 × Δlog(累積セッション) Y = α + β × X
| 役割 | 変数 | 係数 | 標準誤差 | p値 |
|---|---|---|---|---|
| 定数項(α) | – | -0.455 | 0.088 | < 0.001 |
| 説明変数(X) | Δlog(累積セッション) | -0.828 | 0.181 | < 0.001 |
| 被説明変数(Y) | Δ体重 | – | – | – |
- 係数 -0.828:セッションを増やすほど体重が減る
- 定数項 -0.455:毎月のベースライン減少(食事指導等の効果を含む)
体脂肪率モデルの分析結果
Δ体脂肪率 = -0.261 - 0.480 × Δlog(累積セッション) + 0.473 × Δ体重
Y = α + β₁ × X₁ + β₂ × X₂
| 役割 | 変数 | 係数 | 標準誤差 | p値 |
|---|---|---|---|---|
| 定数項(α) | – | -0.261 | 0.061 | < 0.001 |
| 説明変数(X₁) | Δlog(累積セッション) | -0.480 | 0.191 | < 0.05 |
| 説明変数(X₂) | Δ体重 | +0.473 | 0.070 | < 0.001 |
| 被説明変数(Y) | Δ体脂肪率 | – | – | – |
- このモデルでは説明変数が2つ(重回帰分析)
- Δ体重は「体重が変わると体脂肪率も変わる」という関係を捉える
筋肉量モデルの分析結果
Δ筋肉量 = +0.119 + 0.366 × Δlog(累積セッション) + 0.329 × Δ体重 Y = α + β₁ × X₁ + β₂ × X₂
| 役割 | 変数 | 係数 | 標準誤差 | p値 |
|---|---|---|---|---|
| 定数項(α) | – | +0.119 | 0.041 | < 0.01 |
| 説明変数(X₁) | Δlog(累積セッション) | +0.366 | 0.133 | < 0.01 |
| 説明変数(X₂) | Δ体重 | +0.329 | 0.050 | < 0.001 |
| 被説明変数(Y) | Δ筋肉量 | – | – | – |
- セッション効果(+0.366):トレーニングで筋肉が増える
- 体重効果(+0.329):体重が減ると筋肉も減る圧力がかかる
- この2つが相殺して、結果的に筋肉量は維持される
なぜ「対数」を使うのか?
累積セッション数に対数(log)をとっている理由は、トレーニング効果の「逓減(ていげん)」を表現するためです。
- 初心者(5→6回目):1回あたりの効果が大きい
- 中級者(50→51回目):1回あたりの効果は小さくなる
これは現実の感覚とも一致します。最初の数回で大きく変わり、続けるほど変化は緩やかになる。
クラスタロバスト標準誤差
同じ人の複数回の測定データを使っているため、「個人内の相関」が生じます。
これを無視すると、効果を過大評価してしまう危険があります。
そこで「クラスタロバスト標準誤差」という手法を使い、個人をクラスタとして頑健な推定を行いました。
学術論文でも標準的に使われる、信頼性の高い分析手法です。
「平均的な会員」の実績値
上のモデル式から計算した、通い方別の推定変化です。
通い方別:どれくらい変わる?
| 通い方 | 体重 | 体脂肪率 | 筋肉量 |
|---|---|---|---|
| 週2回・2ヶ月(16回) | -3.1 kg | -3.3 % | +0.2 kg |
| 週2回・3ヶ月(24回) | -3.8 kg | -4.0 % | +0.2 kg |
| 週1回・半年(24回) | -4.9 kg | -5.2 % | +0.1 kg |
| 週2回・4ヶ月(32回) | -4.5 kg | -4.7 % | +0.2 kg |
| 週1回・1年(48回) | -8.1 kg | -8.5 % | ±0 kg |
| 週2回・1年(100回) | -9.0 kg | -9.4 % | ±0 kg |
ポイント:
- 週2回・2ヶ月でも約3kgの減量効果
- 同じ24回でも、週2回・3ヶ月より週1回・半年の方が効果が大きい(定数項の積み上げ)
- どのパターンでも筋肉量は維持されている
具体例:70kg・体脂肪率25%の人の場合
週2回・1年間通った場合:
| 開始時 | 1年後 | 変化 | |
|---|---|---|---|
| 体重 | 70 kg | 61 kg | -9 kg |
| 体脂肪率 | 25% | 15.6% | -9.4% |
| 筋肉量 | 50 kg | 50 kg | ±0 kg |
| 脂肪量 | 17.5 kg | 9.5 kg | -8 kg |
体重9kgの減少のうち、約8kgが脂肪。筋肉はほぼそのまま維持。
注意:これは「平均値」です
この数字は、76名・438回の測定データから導き出された「平均的な効果」です。
- もっと効果が出る人もいます(食事管理を徹底した人、ウォーキングなどを取り入れた人など)
- 効果が小さい人もいます(途中で来なくなった人、食事が乱れた人など)
統計モデルが示すのは「同じ条件なら、平均的にこうなる」という傾向であり、
個人の結果を100%予測するものではありません。
ただし、一階差分モデルによって個人差要因を除去しているため、
「セッションを増やせば体組成が改善する」という関係性自体は、
統計的に確かなものです。
腹囲と体重の関係
InBodyデータには腹囲も含まれています。体重変化と腹囲変化の関係を分析したところ:
腹囲変化 = 1.29 × 体重変化 - 0.08
- 決定係数 R² = 0.74(強い相関)
- 標準誤差 0.088、t値 14.6、p値 < 0.001
体重が1kg減ると、腹囲は約1.3cm減る計算です。
10kg減量すれば、腹囲は約13cm細くなる可能性があります。
まとめ
ROCKSのトレーニングプログラムは、会員様の実データに基づいて効果が検証されています。
- 脂肪は確実に減る
- 筋肉は維持される
- 週2回・1年で体重-9kg、体脂肪率-9%が「平均的な実績」
「感覚」ではなく「数字」で効果を示せるジム。それがパーソナルジムROCKSです。
参考文献
- Grossman, M. (1972). On the concept of health capital and the demand for health. Journal of Political Economy, 80(2), 223-255.
- Heymsfield, S. B., et al. (2014). Weight loss composition is one-fourth fat-free mass. American Journal of Clinical Nutrition, 100(3), 996-1002.
- Cava, E., Yeat, N. C., & Mittendorfer, B. (2017). Preserving healthy muscle during weight loss. Advances in Nutrition, 8(3), 511-519.
本ページの内容は、慶應義塾大学経済学部の研究論文に基づいています。
以上、難しく感じると思いますが、このように実証されたメソッドを「わかりやすく、優しく」お伝えする。それがROCKSの強みです。
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