【更年期×筋トレ。研究が示す意外な組み合わせ】

ダイエット

こんにちは。ROCKSの澤村 英希です。
トレーニングに関する海外を中心とした研究論文と、ROCKS会員様の実データをエビデンスとしたブログを発信しています。少し長くなりますがご覧ください。

50歳前後になって、なんとなく体がだるい。イライラしやすくなった。夜中に目が覚める。体重が増えた。肩がずっと重い。気分が沈む日が増えた。

「病院に行くほどではないけど、毎日がなんとなくつらい」

ROCKSにも、こうした悩みを抱えて来てくださる方がいらっしゃいます。

そしてこの「なんとなくつらい」の正体が更年期の変化であることに、ご本人が気づいていないケースも少なくありません。

実は近年、筋力トレーニングがこれらの更年期症状の緩和に有効であるというエビデンスが、世界中の研究で蓄積されてきています。

この記事では、更年期に体の中で何が起きているのか、そしてなぜ筋トレがその対策になり得るのかを、研究データをもとにお伝えします。

更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。
この時期に起こる最大の変化は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少です。

エストロゲンは単なる「女性らしさ」のホルモンではありません。

骨密度の維持、脂肪代謝の調整、セロトニン(気分を安定させる神経伝達物質)の生成促進、コラーゲンの合成、血管の柔軟性の維持など、体の多方面に関与しています。

このエストロゲンが閉経に伴って急激に減少すると、複数の変化が同時に起こります。

骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクが高まる。内臓脂肪がつきやすくなる。セロトニンの分泌が減って気分が不安定になる。自律神経のバランスが崩れて睡眠の質が落ちる。ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)が起こる。

女性は一生のうちに月経を約400〜500回経験し、閉経を境にホルモン環境が大きく変わります。

つまり更年期の不調は「気のせい」でも「我慢すべきもの」でもなく、ホルモンの変化に伴う体の構造的な反応なのです。

「更年期に筋トレ?」と思われるかもしれません。

しかし、近年の研究は筋トレが更年期症状の緩和に多面的に作用することを示しています。大きく3つの側面から説明します。

1つ目は、ホルモンバランスと自律神経の調整です。

2023年にMenopause誌に掲載されたメタ分析(Sáら、複数のRCTを統合)では、筋力トレーニングが閉経後女性の更年期症状と身体機能を改善することが示されています(Sá et al., Menopause, 2023)。

さらに2024年のメタ分析(Choudhryら、5件のRCTを統合)では、筋トレグループでホットフラッシュ(血管運動症状)が対照群と比較して有意に減少したことが報告されています(SMD = −1.31、p = 0.002)(Choudhry et al., J Bodyw Mov Ther, 2024)。

筋トレは運動中に血流を増加させ、トリプトファン(セロトニンの前駆物質)の脳への取り込みを促進します。

セロトニンは気分の安定、睡眠の質、体温調節に関わる神経伝達物質であり、更年期にエストロゲンが減少するとセロトニンの産生も低下します。

筋トレでこの経路を補うことが、症状緩和の一因と考えられています。

わたしの著書でも触れていますが、筋トレのメンタルへの効果は多くの研究で確認されており、抗うつ薬や抗不安薬と同等あるいはそれ以上の効果があるとする報告もあります。

更年期の気分の落ち込みやイライラに対しても、筋トレは薬に頼らない選択肢として注目されています。

2つ目は、骨密度の維持です。

閉経後の女性にとって、骨粗しょう症は深刻なリスクです。エストロゲンが減少すると、骨の吸収(分解)が骨の形成を上回り、骨密度が急速に低下します。

2025年のメタ分析(17件のRCT、690名)では、筋トレが閉経後女性の腰椎(SMD = 0.88)、大腿骨頸部(SMD = 0.89)、大腿骨全体(SMD = 0.36)の骨密度を有意に改善することが確認されています(J Orthop Surg Res, 2025)。特に週3回、70%1RM以上の強度で行う筋トレが最も効果的でした。

筋肉が骨を引っ張る力(メカニカルストレス)が骨芽細胞を活性化し、骨形成を促進する。

これは薬ではなく、自分の体を使って骨を強くするということです。

3つ目は、対組成の改善です。

40歳以降、何もしなければ年間約1%の割合で筋肉が減少していきます(サルコペニア)。

筋肉が減れば基礎代謝が落ち、同じ食事量でも脂肪が蓄積されやすくなる。

「食べる量は変わっていないのに太る」という声が増えるのは、まさにこのメカニズムです。

2023年のIsenmannらの研究(41名の40〜60代女性、20週間の介入試験)では、週2回の筋トレで閉経前・閉経後いずれの女性においても除脂肪体重が増加し、体組成が改善されることが確認されています(Isenmann et al., BMC Women’s Health, 2023)。

つまり筋トレは、加齢とホルモン変化によるダブルパンチに対して、筋肉を維持・増加させることで体の「構造」そのものを守る手段なのです。

ここまで読んで、「筋トレが良いのはわかった。でもキツそう」「ジムに行ったことがない」「ムキムキになりたくない」と思われたかもしれません。

安心してください。ROCKSの会員様の78%は、ジム経験ゼロからスタートされています。会員様の平均年齢は41歳で、40代・50代・60代の方が多数在籍。最年長は72歳の方です。

女性が筋トレをしてもムキムキにはなりません。

筋肥大に大きく関与するテストステロン(男性ホルモン)の分泌量は、女性は男性の5〜10%です。

この記事シリーズの別の回でも詳しくご説明していますが、女性の筋トレは「引き締まる」「しなやかになる」方向に体を変えていきます。

そもそも筋トレの目的は「重いものを持ち上げること」ではありません。筋肉に適切な刺激を与えることです。3kgのダンベルを4kgに上げる。それだけで立派な成長であり、体は確実に変化します。

大切なのは、正しいフォームで、適切な負荷を、継続すること。パーソナルジムは、その「正しさ」を一人ひとりに合わせて提供する場所です。

ROCKSでは毎回のトレーニング後にInBody(体組成計)で測定を行い、会員様の体の変化を継続的に記録しています。158名・3,307回の測定データを、慶應義塾大学の研究論文で統計的に分析しました。

結果は明確でした。ダイエット目的の会員様は、平均約5kgの減量を達成しながら、筋肉量はほぼ完全に維持されていました。

そして年齢や初期の体脂肪率による効果の差がないことも統計的に確認されています。

「もう歳だから」は、データ上は根拠がないのです。

50代の女性会員様からこんなお声をいただいています。

「子育てが一段落して、次は自分の体に投資しようと思いました。週1回のトレーニングですが、まず肩こりが楽になったのに驚きました。朝の目覚めが変わって、なんとなくダルかった毎日が軽くなった気がします。もっと早く始めればよかったと思っています」

更年期の不調は「仕方ない」「年齢のせい」で済ませがちですが、筋トレという選択肢があることを知っていただきたいのです。

更年期の不調は我慢するものではなく、筋トレで緩和できるエビデンスが蓄積されています。

ホルモンバランスの調整、骨密度の維持、体組成の改善。筋トレは更年期の体を多面的に支えます。

ROCKSでは158名・3,307回のInBody測定データで、その効果を実証しています。年齢は関係ありません。何歳からでも筋肉はつきます。


― ROCKSの実証データ ―
ROCKSでは毎回のトレーニング後にInBody測定を実施し、会員の体組成変化を継続的に記録しています。158名・3,307回の測定データを慶應義塾大学の研究論文で分析した結果、ダイエット目的の会員は平均5kgの減量をしながら、筋肉量はほぼ完全に維持されていることが確認されています。

この記事でお伝えした内容を、ROCKSでは実際のトレーニングで実現しています。

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【参考文献】
・Sá KMM, da Silva GR, Martins UK, et al. “Resistance training for postmenopausal women: systematic review and meta-analysis.” Menopause. 2023;30(1):108-116.
・Choudhry DN, Saleem S, Hatim S, Irfan R. “The effect of resistance training in reducing hot flushes in post-menopausal women: A meta-analysis.” J Bodyw Mov Ther. 2024;39:335-342.
・J Orthop Surg Res. 2025. “Optimal resistance training parameters for improving bone mineral density in postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis.”(17 RCTs, n=690)
・Isenmann E, Kaluza D, Havers T, et al. “Resistance training alters body composition in middle-aged women depending on menopause – A 20-week control trial.” BMC Women’s Health. 2023;23:526.
・Mohebbi R, Shojaa M, Kohl M, et al. “Exercise training and bone mineral density in postmenopausal women: an updated systematic review and meta-analysis.” Osteoporos Int. 2023;34(7):1145-1178.