こんにちは。ROCKSの澤村 英希です。
トレーニングに関する海外を中心とした研究論文と、ROCKS会員様の実データをエビデンスとしたブログを発信しています。少し長くなりますがご覧ください。
「脂肪を減らしながら、筋肉を増やす」
これができたら理想的ですよね。
しかし、多くの人がこう言います。
「痩せるなら筋肉も落ちる」「筋肉をつけるなら太る」。
この2つは同時にできない、と。
たしかに、これは半分正しいです。
脂肪を減らすにはカロリーを減らす必要があり、筋肉を増やすにはカロリーとたんぱく質が必要。
方向が逆なのだから、両立は難しい。上級者ほど、この「同時進行」は難しくなります。
実際、食事制限だけで痩せると、減った体重のすべてが脂肪ではありません。
MRIを用いた研究では、運動を伴わないカロリー制限による体重減少のうち、骨格筋の減少が男性で約20〜26%、女性で約10〜17%を占めることが報告されています(Heymsfield et al., Obesity, 2024)。
10kg痩せれば、男性なら2kg以上、女性でも1kg以上の筋肉が消えている計算です。
しかし、ある条件下では、脂肪を落としながら同時に筋肉を増やすことが可能です。
これを「ボディリコンポジション(body recomposition)」、略して「リコンプ」と呼びます。
そして重要なのは、このリコンプが最も起きやすいのが「筋トレ初心者」だということ。
つまり、これから始めるあなたにこそ、人生で一番いい体になるチャンスが訪れているのです。
今回は、なぜ初心者に体の黄金期が訪れるのか、そしてそのチャンスを無駄にしないために何をすべきかを、研究データに基づいてお伝えします。
「脂肪減」と「筋肉増」は本当に同時に起きる
まず、リコンプが本当に起きるのかという点から。
2020年に、NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)の学術誌に掲載されたBarakatらのレビュー論文「Body Recomposition(ボディリコンポジション)」が、この現象を体系的にまとめています(Barakat et al., Strength Cond J, 2020)。
このレビューの結論は明確です。
脂肪の減少と筋肉の増加は、確かに同時に起こり得る。そしてそれが最も起きやすいのは、次の3つのグループです。
・筋トレ未経験者(初心者)
・久しぶりに運動を再開した人
・体脂肪が高めの人
特に、トレーニングを始めてから最初の3〜6か月に、脂肪が減りながら筋肉が増えるという現象が顕著に現れます。
なぜ初心者に「黄金期」が訪れるのか
では、なぜ初心者ほどこの理想的な変化が起きるのか。理由は2つあります。
ひとつは、初心者特有の「筋タンパク合成の感受性の高さ」です。
筋トレをすると、体は「筋肉を作れ」という信号を出します。
この信号への反応が、トレーニング経験のない体では非常に強い。
初めて筋肉に刺激が入ることで、体が敏感に反応し、効率よく筋肉を合成するのです。
長年鍛えている人の体は、この刺激に慣れてしまっているため、反応が鈍くなります。
もうひとつは、「神経筋の適応」です。
トレーニング初期は、筋肉そのものだけでなく、脳と筋肉をつなぐ神経の伝達効率が急激に向上します。
これにより、少ない努力でも大きな成果が出やすい。
さらに、体脂肪が高めの人は、体内に「燃料」となる脂肪をたくさん蓄えています。
この蓄えられた脂肪をエネルギー源として使いながら、筋肉を作ることができる。
だから、脂肪を落としながら筋肉を増やすという一見矛盾したことが、同時に成立するのです。
上級者になると、この黄金期は過ぎ去ります。体が刺激に慣れ、体脂肪も少なくなり、リコンプの効率は大きく落ちる。
上級者は「増量期」と「減量期」を分けて取り組むほうが効率的になります。
しかし、初心者は違います。何もしなくても、体が勝手に「脂肪を落として筋肉を増やす」方向に動いてくれる時期にいる。
これは人生で一度きりの、体の黄金期なのです。
黄金期を無駄にしないための2つの条件
ただし、注意点があります。この黄金期は、ただジムに通えば自動的に成果が出るわけではありません。
Barakatらの論文は、リコンプを成功させるための2つの鍵を明確に挙げています。
ひとつは「漸進的な筋トレ(progressive resistance training)」です。
同じ重量、同じ回数を繰り返すだけでは、体はすぐに慣れて成長が止まります。
少しずつ負荷を上げていく。先週3kgだったものを今週4kgに。この「漸進性」があってこそ、筋肉は成長を続けます。
もうひとつは「十分なたんぱく質の摂取」です。
筋肉の材料はたんぱく質です。Barakatらの論文では、体重1ポンドあたり0.7〜1gのたんぱく質摂取が推奨されています。
これは体重1kgあたりに換算すると、約1.6〜2.2gに相当します。体重60kgの方なら、1日あたり約96〜132gのたんぱく質が必要ということです。
この2つ、「正しく負荷を上げる筋トレ」と「適切なたんぱく質戦略」。
これらが揃って初めて、黄金期のポテンシャルが最大限に引き出されます。
逆に言えば、せっかくの黄金期に、自己流で負荷も上げず、たんぱく質も足りていない状態でトレーニングをしてしまうと、この貴重な時期を無駄にしてしまうのです。
ROCKSの会員様の4人に3人が「初心者」
ここでROCKSのデータをお話しします。
ROCKSの会員様のうち、実に76%がジム経験ゼロからスタートされています。
つまり、4人に3人が筋トレ初心者です。
これは、Barakatらの論文に照らせば、極めて重要な意味を持ちます。
ROCKSに来てくださる方の大多数が、まさに「リコンプが最も起きやすい黄金期」にいるということだからです。
そして、その黄金期が実際に成果として現れていることを、ROCKSは実測データで確認しています。
ROCKSでは毎回のトレーニング後にInBody(体組成計)で測定を行い、会員様の体の変化を記録しています。
この蓄積されたデータのうち、3kg以上の減量に成功し、かつ十分な測定回数のある会員様を抽出して分析しました。
基準は、先ほどご紹介したHeymsfieldらの研究です。
食事制限だけで痩せた場合、その方の性別と減量幅から「本来何kgの筋肉が失われていたはずか」を計算し、実際の筋肉量の変化と比較します。
結果はこうでした。
94%の方が、食事制限だけのダイエットで想定される筋肉減少量を下回っていました。
つまり、9割以上の会員様が、普通のダイエットよりも筋肉を守れていたということです。
さらにそのうち約4割の方は、痩せながら筋肉量が増加していました。
脂肪を落としながら筋肉を増やすという、まさにリコンプが実現していたのです。
たとえばある40代の女性会員様は、7.1kgの減量に成功しながら、骨格筋量が1.1kg増加しました。食事制限だけなら約1kgの筋肉を失っていたはずのところを、逆に1kg増やしている。
体重は7kg減り、体脂肪率は9.4%下がり、それでいて筋肉は増えている。これがリコンプです。
ROCKSの成果が高いのは、偶然ではありません。
会員様の多くが初心者という「黄金期」にいて、そこにROCKSが「正しい漸進的な筋トレ」と「適切なたんぱく質戦略」という2つの鍵を当てているからです。
論文が示す成功条件を、そのまま現場で実践している。だからこそ、数字が出るのです。
「痩せ方の質」を数値化する ― 近日公開の新指標
ROCKSは今、この分析をさらに一歩進めています。
「ダイエットで痩せたとき、本来失うはずだった筋肉をどれだけ守れたか」を、会員様ひとりひとりの実測値から点数化する独自指標を開発しました。
筋肉を完全に守れれば満点。増やしながら痩せた方は、満点を超えます。
体重が何kg減ったかだけでは、ダイエットの質はわかりません。
同じ5kg減でも、脂肪だけを落とした5kgと、筋肉ごと落とした5kgでは、その後の体はまったく違います。基礎代謝も、疲れにくさも、リバウンドのしやすさも変わってきます。
言うだけなら、どのジムでも言えます。
ROCKSは、測って証明する。この指標は近日中に公開し、会員様それぞれの「痩せ方の質」をお伝えしていく予定です。
「経験ゼロ」は弱みではなく、最大の強みである
多くの方が、「わたしは筋トレなんてやったことがないから」と、始めることをためらいます。
しかし、科学的に見れば、それはまったく逆です。
経験ゼロの今こそ、あなたの体は人生で最もリコンプが起きやすい状態にあります。
脂肪を落としながら筋肉を増やせる、体の黄金期。この時期は、長くは続きません。
そして、この黄金期を最大限に活かせるかどうかは、正しい方法で取り組めるかにかかっています。
自己流で貴重な数か月を無駄にするのか、それとも科学的に正しい筋トレとたんぱく質戦略で、人生で一番いい体を手に入れるのか。
その差は、あまりにも大きい。
「でもジムなんて行ったことないし」「筋トレのやり方がわからない」。そう思われる方にこそ来ていただきたいのがROCKSです。
筋トレ初心者の方でも、どこよりもわかりやすく丁寧に、優しく、成果の出る体作りをサポートしています。
経験ゼロの今が、人生で一番いい体になれるチャンスです。この黄金期を、一緒に活かしましょう。
ROCKSで変わらなければ他のどこに行っても変われません。ROCKSにはその自信があります。
それでは、ROCKSでお待ちしております。
まずはお気軽にお問い合わせください。
参考文献
- Barakat C, Pearson J, Escalante G, Campbell B, De Souza EO. “Body Recomposition: Can Trained Individuals Build Muscle and Lose Fat at the Same Time?” Strength Cond J. 2020;42(5):7-21. リコンプは未経験者・運動再開者・体脂肪が高い人に最も起きやすく、特に最初の3〜6か月に顕著。鍵は漸進的な筋トレと十分なたんぱく質摂取(体重1ポンドあたり0.7〜1g)。
- Heymsfield SB, Yang S, McCarthy C, et al. “Proportion of caloric restriction-induced weight loss as skeletal muscle.” Obesity (Silver Spring). 2024;32(1):32-40. 運動なしのカロリー制限では、体重減少のうち骨格筋の減少が男性で約20〜26%、女性で約10〜17%を占める(MRI測定)。
- Morton RW, et al. “A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength.” Br J Sports Med. 2018;52(6):376-384. たんぱく質摂取と筋肥大の関係。
- 澤村英希「37歳で筋トレ始めたら人生で初めて腹筋割れました!」Kindle、2023年。
