こんにちは。ROCKSの澤村 英希です。
トレーニングに関する海外を中心とした研究論文と、ROCKS会員様の実データをエビデンスとしたブログを発信しています。少し長くなりますがご覧ください。
「何度ダイエットしても、結局リバウンドしてしまう」
この言葉、ROCKSに来てくださる会員様から本当によく聞きます。
食事を減らして、体重は一時的に落ちる。
でも数か月後には元に戻る。
いや、前より増えている。
そしてまた次のダイエット法を試す。その繰り返し。
もし今この記事を読んでいるあなたが、まさにそのループの中にいるなら、ひとつだけ知っておいてほしいことがあります。
リバウンドの原因は、あなたの意志の弱さではありません。
原因は、体の「構造」にあります。
もっと具体的に言えば、ダイエットのたびに失われていく「筋肉量」が犯人です。
この記事では、なぜダイエットがリバウンドを引き起こすのかを科学的に説明し、そしてどうすればそのループから抜け出せるのかをお伝えします。
■ なぜダイエットするとリバウンドするのか
多くの方が「ダイエット=食べる量を減らすこと」だと思っています。
確かに、カロリーを制限すれば体重は減ります。これは間違いありません。
しかし問題は、減った体重のすべてが脂肪ではないということです。
2023年にObesity誌に掲載されたHeymsfieldらの研究は、この事実を大規模なデータで明らかにしました。
897名の健康な成人の全身MRI測定データを用いてモデルを構築し、カロリー制限中に体重が1kg減ったとき、そのうちどれだけが骨格筋の減少なのかを分析したのです。
結果は衝撃的でした。
運動を伴わないカロリー制限では、男性は体重減少の約26%が筋肉(骨格筋)の減少、女性でも約14%が筋肉(骨格筋)の減少でした(Heymsfield et al., Obesity, 2024)。
つまり、食事制限だけで10kg痩せた場合、男性なら約2.6kg、女性なら約1.4kgの筋肉が失われている計算になります。
これがなぜ問題なのか。
筋肉は、体の中で最もエネルギーを消費する組織のひとつです。
安静にしていても、筋肉があるだけでカロリーを燃やし続けてくれる。これが「基礎代謝」です。
ダイエットで筋肉が減ると、この基礎代謝が下がります。
すると、以前と同じ量を食べているだけなのに、体は余ったエネルギーを脂肪として蓄え始める。
これがリバウンドの正体です。
さらに厄介なのは、「食べないダイエット」を繰り返すたびに、筋肉がどんどん減っていくこと。
1回目のダイエットで筋肉が減り、リバウンドで脂肪が戻り、2回目のダイエットでまた筋肉が減り、またリバウンド。
このサイクルを繰り返すたびに、体はどんどん「痩せにくく、太りやすい」構造に変わっていきます。
リバウンドは、意志力の問題ではありません。代謝の構造的な問題なのです。
■ 筋肉を守りながら痩せる方法
では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。
「筋トレ+高たんぱく質食+適度なカロリー制限」の三本柱。
この組み合わせが、筋肉を守りながら脂肪だけを落とす唯一の方法です。
まず筋トレの役割。
カロリー制限中の体は、エネルギーが不足しています。
体はその不足分を補うために、脂肪だけでなく筋肉も分解しようとします。
ここで筋トレが重要になります。
筋トレで筋肉に負荷をかけると、体は「この筋肉はまだ必要だ」と判断し、筋肉の分解を抑制します。
同時に、トレーニングで傷ついた筋繊維を修復しようとする「超回復」のプロセスが働き、筋肉の合成が促進される。
つまり、筋トレは分解にブレーキをかけ、合成にアクセルを踏む、二重の防御壁なのです。
2025年にBMJ Open Sport & Exercise Medicine誌に掲載されたメタ分析では、カロリー制限中に筋トレを行うことで、筋トレなしの場合と比較して除脂肪体重の減少が有意に抑制され、脂肪の減少量は増加することが確認されています(Sheridan et al., BMJ Open Sport Exerc Med, 2025)。
さらに2025年のFrontiers in Endocrinology誌に掲載されたLahavらの研究(304名、20〜74歳)では、カロリー制限中に筋トレを行ったグループは、男性で除脂肪体重が+1.15kg、女性で+0.94kg増加しました。運動なしのグループや有酸素運動のみのグループでは除脂肪体重が減少していたのとは対照的です(Lahav et al., Front Endocrinol, 2025)。
次に、たんぱく質の役割。筋肉の材料はたんぱく質です。
いくら筋トレで「筋肉を残せ」という信号を送っても、材料が不足していれば体は筋肉を維持できません。
ダイエット中は特にたんぱく質の摂取が重要になります。
ここで大切なのは、「食べないダイエット」から「食べて脂肪を落とすダイエット」への発想の転換です。
食べる量を極端に減らすのではなく、何を食べるかを変える。
たんぱく質をしっかり摂りながら、全体のカロリーを適度に制限する。たんぱく質とは、「肉」「魚」「卵」「豆」などです。
この方法なら、筋肉を守りながら脂肪だけを効率的に落とすことができます。
■ ROCKSの実証データ
ここまでの話を「理屈はわかったけど、本当にそんなうまくいくの?」と思われるかもしれません。
ROCKSには、それを裏付ける実際のデータがあります。
ROCKSでは毎回のトレーニング後にInBody(体組成計)で測定を行い、会員様の体の変化を継続的に記録しています。この158名・3,307回の測定データを、慶應義塾大学の研究論文で統計的に分析しました。
結果は明確でした。ダイエット目的の会員様は、平均約5kgの減量を達成しながら、筋肉量はほぼ完全に維持されていました(+0.05kg)。
先ほどのHeymsfield論文では、カロリー制限だけでは体重減少の14〜26%が筋肉の喪失になると示されていました。
5kg痩せれば、0.7〜1.3kgの筋肉が失われる計算です。
しかしROCKSの会員様は、5kg痩せても筋肉量がほぼゼロ。減った体重のほぼ全てが脂肪だったのです。
さらに重要なのは、年齢や初期の体脂肪率によって効果に差がなかったこと。これも統計的に確認されました。つまり「もう歳だから」「太りすぎているから」という心配は、データ上は根拠がないのです。
40代でも、50代でも、60代でも。正しい筋トレと食事管理を行えば、筋肉を守りながら脂肪だけを落とすことは実現できます。
■ わたし自身の体験
偉そうなことを書いていますが、わたし自身がかつてリバウンドの苦しみを味わった一人です。
37歳でたばこをやめた直後、3か月で10kg太りました。お腹は臨月のように膨らみ、会う人全員に「太ったね」と言われる日々。鏡に映った自分を見て「さすがにやばい」と思いました。
最初は独学でダイエットを始めました。食事を減らし、とにかく体重を落とそうとした。確かに体重計の数字は下がりました。しかし、見た目がほとんど変わらなかった。体重は減っているのに、体型はだらしないまま。今ならわかります。あれは筋肉が落ちて、脂肪が残っていたのです。
パーソナルジムで正しい筋トレと食事指導を受けて初めて、「脂肪だけを落とす」ということが実現できました。体重の数字ではなく、体の中身が変わっていく感覚。これは、食べないダイエットでは絶対に得られないものでした。
だからこそ、リバウンドを繰り返す苦しみは痛いほど分かります。そしてだからこそ、正しい方法を知れば必ず抜け出せると断言できるのです。
■ ROCKSだからできること
リバウンドの原因は意志力ではなく、ダイエットのたびに失われる筋肉量の低下です。
筋トレと高たんぱく質食で筋肉を守りながら脂肪を落とすことが、リバウンドのループから抜け出す唯一の方法です。
ROCKSでは158名・3,307回のInBody測定データで、筋肉を維持しながら脂肪だけを落とすダイエットを実証しています。年齢は関係ありません。
正しい方法を、正しく続ければ、体は必ず変わります。
この記事でお伝えした内容を、ROCKSでは実際のトレーニングで実現しています。
さあ、次はあなたの番です。
まずは無料カウンセリングで、あなたの体組成を測定してみませんか?
【参考文献】
・Heymsfield SB, Yang S, McCarthy C, et al. “Proportion of caloric restriction-induced weight loss as skeletal muscle.” Obesity (Silver Spring). 2024;32(1):32-40. doi:10.1002/oby.23910(Epub 2023 Oct 8)
・Sheridan A, et al. “Effect of resistance exercise on body composition, muscle strength and cardiometabolic health during dietary weight loss in people living with overweight or obesity: a systematic review and meta-analysis.” BMJ Open Sport Exerc Med. 2025;11(3):e002363.
・Lahav Y, Yavetz B, Gepner Y. “Resistance training as a key strategy for high-quality weight loss in men and women.” Front Endocrinol. 2025;16:1725500.
・Lopez P, Taaffe DR, Galvão DA, et al. “Resistance training effectiveness on body composition and body weight outcomes in individuals with overweight and obesity across the lifespan: A systematic review and meta-analysis.” Obes Rev. 2022;23(5):e13428.
